TOP

ブレーズ・パスカル(1623-1662)からの抜き書き

『パンセ』より

3 直観で判断することに慣れた人々は、推理をしなければならぬことがらにおいては、何事も理解しない、なぜならこの人々は、まず一目で入りこもうとし、原理を探すことには少しも慣れていない。反対にまた、別のある人々は、原理によって推理することには慣れているが、直観しなければならぬことがらにおいては、原理をそこに探すけれども一目で見ることはできないものだから、何事も理解しない。

4 真の雄弁は雄弁を軽視し、真の道徳は道徳を軽蔑する、すなわち判断の道徳は理知の道徳を軽蔑する、判断の道徳は規準を持たない。

 なぜというのに判断には直観が属している、ちょうど理知に学問が属しているように。繊細は判断のがわにあり、幾何学は理知のがわにある。

 哲学を軽蔑すること、それが真に哲学することである。

347 H3 人間は、自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である。これをおしつぶすのに宇宙全体が武装する必要はない。一つの蒸気、一つの水滴もこれを殺すのに十分である。しかし宇宙がこれをおしつぶすとしても、そのとき人間は、人間を殺すこのものよりも、崇高であろう、なぜなら人間は、自分の死ぬことを、それから宇宙の自分よりずっとたちまさっていることを知っているからである。宇宙は何も知らない。

 だから我々のあらゆる尊厳は考えるということにある。我々が立ち上がらなければならないのはそこからであって、我々の満たすことのできない空間や時間からではない。だからよく考えることを努めよう。ここに道徳の原理がある。

TOP

Valid XHTML 1.1! Valid CSS!