デカルト(谷川多佳子訳)『方法序説』岩波文庫、1997年

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第1部

正しく判断し、真と偽を区別する能力、これこそ、ほんらい良識とか理性とか呼ばれているもの〔中略〕大切なのはそれを良く用いること(8頁)


理性すなわち良識が、わたしたちを人間たらしめ、動物から区別する唯一のもの(9頁)

わたし自身のうちに、あるいは世界という大きな書物のうちに見つかるかもしれない学問だけを探求しようと決心(17頁)

第2部

唯一の神が掟を定めた真の宗教の在り方は、他のすべてと、比較にならぬほどよく秩序づけられているはずなのは確かである。(21頁)

一個人が国家を、その根底からすべて変えたり、正しく建て直すために転覆したりして改造しようとすることは、まったく理に反しているし、さらに同様に、学問の全体系や、その教育のために学校で確立している秩序を改変しようとするのも理に反している(23頁)


公の大きな組織は、いったん倒されると債権は至難で〔中略〕習慣がそれらの欠点を大きく緩和してきたのは間違いない。〔中略〕これらの欠点はたいてい、その組織を変革するより我慢しやすい。(23-4頁)