安彦良和著、矢立肇・富野由悠季原案『愛蔵版 起動戦士ガンダム THE ORIGIN II――ガルマ編』角川書店、2006年
2007年7月12日(木)読了。感想F
寮の同じ階に住む某ガンダムファンから勧められ、依然断念したガンダムを再度挑戦することになったが、やはりガンダムは生理的に受けつけないようだ。とはいえ、なぜ受けつけないのか、もう少し冷静になって考えてみると、理由はあることにはある。まあ、理由なんて捏造すればいくらでも捏造できるわけだが。
まず『起動戦士ガンダム』の魅力の一つは、主人公アムロの成長する過程を見ることができると言われるが、このアムロがまったくむなくそ悪くて受けつけない。そもそも、「戦争だ、戦争だ」とアムロの台詞を通して言う割りに、アムロに対する周りの対応がどう考えても戦争という極限状態が許容するものではあり得ないという状況設定、物語の不整合さが興ざめする。
また、旧日本軍を思わせるような、したがって極めて日本的な視点から描き出された登場人物のスピリットが興ざめである。