人物 | 基準 | 対象 | 総和主義か平均主義か |
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エイブラハム・タッカー(1705-1774) | 神による全ての被造物 | ||
ウィリアム・ペイリー(1743-1805) | |||
ウィリアム・ゴドウィン(1756-1836) | |||
ベンタム | 快苦 | 人+動物 | |
ミル | 快苦 | 人+(動物) | |
シジウィック | 快苦 | 人+感覚的動物 | 総和主義 |
ヘア | 快苦→欲求など?→選好充足説 | 人+感覚的動物? | |
シンガー | 選好? | 人+感覚的動物 | |
ブラント | 快楽説 | ||
J.ナーブソン | 選好充足説 | ||
スマート | |||
ハルサーニ |
功利主義者についてリストアップして整理すること。
功利主義を擁護する者は、しばしば次のような反対論にこたえることが必要となる。つまり、行為の前に、どんな行動が社会全体の幸福に影響をおよぼすかを計算し考慮している暇はない、という反対論である・・・・・・この反対論には、時間はたっぷりある、とこたえればよい。人類が生き続けてきた過去の全期間がわれわれに与えられているのである。この全時代を通じて、人類は、いろいろな行為のいろいろな傾向を経験し、習得してきたのである。人生のあらゆる思慮分別、あらゆる道徳が、このような経験にもとづいている。(J.S.ミル著、伊原吉之助訳『功利主義論』(中央公論社、1999年)、484頁)
この部分は、ミルの規則功利主義的な側面を窺わせる主張。これに続く次の主張は、二層理論の原点を思わせる。
このようにして受け継がれてきた信念は、一般民衆にとって道徳律となる。哲学者にとっても、さらによいものを見つけだすまでは、やはりこれが道徳律なのである・・・・・・功利の原理から導き出した二次原理は、およそあらゆる実際的な技術の規則と同じように、無限に改善してゆく余地がある。人間精神が発展を続けるかぎり、二次原理の改善は永久に続いてゆくのである。(同書、485頁)