ヘアは『道徳的に考えること』において、外的選好と共時的選好が選好功利主義者に「未完の仕事を残しているという感覚」を引き起こすという問題を残したと言っている。そして、『ヘアと批判者たち』での彼の最近の意見からは、彼はこの仕事がまだ完遂していないと見なしていることが見てとれる。
他人の苦しみ、および一般に他人の動機と選好の程度や質は、わたしがその人の動機と選好を持ってその人の立場に立ったとして、そのときわたしに起きることに対して彼と同等の動機を持つ、ということなくしては知ることができない。(原書99頁、翻訳150頁)
"what it is like to be one of those occupants in a collision, and how they will like it, i.e., how it will affect the satisfaction of their preferences."(Hajdin p.306, Hare p.91)
衝突にあった人々のうちの一人であるとはどのようなことか、またその人がどのようにそれを好むか、言い換えれば、衝突が、彼らの選好充足にどのような影響を与えるか(翻訳137頁参照)
we should always have a dominant or overriding preference now that the satisfaction of our now-for-now and then-for-then preferences should be maximized.(Hajdin p.309, Hare p.105)
自分の「今に対する今」および「その時に対するその時」の選好充足を最大化しようという支配的あるいは優先的な選好を今の時点で常に持つべきだ(翻訳137頁)